「キャノンデール シナプス 遅い」というキーワードで検索されたあなたは、シナプスの実際の走行性能について疑問や不安を感じているのではないでしょうか。
キャノンデールはどんなブランドなのか、シナプスの歴史や歴代モデル、その特徴、そして巷で囁かれるダサいといった評価や実際の評判、アルミフレームのインプレやカーボンフレームのインプレなど、様々な情報が気になることでしょう。
この記事では、そのような疑問に答えるべく、キャノンデール シナプスの性能や評価、そして「遅い」という噂の真相について、多角的に掘り下げていきます。
この記事を読むことで、あなたは以下の点を理解できます。
- キャノンデール シナプスが「遅い」と言われる背景とその真偽
- シナプスの設計思想、特徴、そして歴代モデルの進化
- アルミモデルとカーボンモデルの具体的な違いや乗り心地
- シナプスに対する実際のユーザー評価や専門家の見解
「キャノンデールシナプス遅い」説の真相:基本から理解
目次
- 革新的?キャノンデールはどんなブランド?
- シナプスの歴史と歴代モデルの変遷
- シナプスの設計思想と特徴
- 実際の評価と評判をチェック
- ダサい?シナプスはダサくなったか検証
- エンデュランスロードとしての位置づけ
革新的?キャノンデールはどんなブランド?

アーバンサイクラー・イメージ
キャノンデール(Cannondale)は、1971年にアメリカ合衆国コネチカット州で創業された自転車メーカーです。
当初は自転車バッグやアクセサリーの製造からスタートしましたが、1983年には初の自転車「ST500」というツーリングバイクを発表し、自転車フレーム製造へと本格的に参入しました。
キャノンデールの大きな特徴は、アルミフレームにおける革新的な技術力にあります。
クロモリフレームが主流だった時代に、大径のアルミチューブを採用した「CAAD(キャド:Cannondale Advanced Aluminum Design)」シリーズを開発。
軽量でありながら高い剛性を実現するこの技術は、当時のロードバイク業界に衝撃を与え、「アルミのキャノンデール」としての地位を確立しました。
その技術力は「カーボンキラー」と称されるほどで、現在でもアルミフレームの可能性を追求し続けています。
また、キャノンデールは既成概念にとらわれない独創的な製品開発でも知られています。
例えば、フロントフォークの「Lefty(レフティ)」やBB規格「BB30」など、ユニークな技術を次々と生み出し、業界に新たなスタンダードを提案してきました。
これは「System Integration (Si)」という設計思想に基づき、フレームとコンポーネントを統合的に開発することで、バイク全体の性能を最大限に引き出すことを目指しているためです。
ヨーロッパのプロロードレースチームへ機材供給を始めた初のアメリカンブランドとしても歴史に名を刻んでおり、数々のレースで勝利を収めてきました。
このように、キャノンデールは革新的な技術と独創的なアイデアで、常に高性能なバイクを追求し続けるブランドであると言えます。
ロードバイクだけでなく、マウンテンバイクやクロスバイクなど、幅広いラインナップを展開している点も特徴の一つです。
シナプスの歴史と歴代モデルの変遷

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キャノンデールのエンデュランスロードバイクとして知られるシナプス(Synapse)は、2005年モデルとして初めてフルカーボンフレームで登場しました。
当時のキャノンデールは、前述の通りCAADシリーズでアルミフレームの評価を不動のものとしていましたが、フルカーボン化の流れに対応する形で初代シナプスが誕生したのです。
初期のシナプスは、レースバイクであるSUPERSIXが登場するまでは、キャノンデールのカーボンロードの主力として位置づけられていました。
その後、SUPERSIX EVOなどの高性能レースモデルが登場すると、シナプスはより快適性や長距離走行性能を重視したエンデュランスモデルとしての性格を強めていきます。
特に大きな転換期となったのは2014年モデルで、フレーム設計が一新されました。
このモデルチェンジでは、石畳のクラシックレースなど過酷な状況下での走行性能が追求され、SAVE(Synapse Active Vibration Elimination)マイクロサスペンション技術などが進化し、振動吸収性と路面追従性が大幅に向上しました。
プロレースでもペーター・サガン選手などが使用し、エンデュランスモデルでありながらレースでも勝利を収められる万能性を示しました。
2018年モデルではさらなるフレームの軽量化と剛性バランスの最適化が図られ、ディスクブレーキモデルが主流となっていきます。
そして2022年モデルでは、ライトやレーダー、バッテリーを統合した「SmartSense(スマートセンス)」システムを搭載するという、画期的なフルモデルチェンジを遂げました。
このSmartSenseは、ライダーの安全性と利便性を大きく向上させる機能として注目されています。
2025年5月には第6世代となる新型シナプスが発表され、快適性を従来比で20%向上させつつ、レースバイクに匹敵するフレーム剛性とエアロダイナミクス性能を獲得したとされています。
タイヤクリアランスも最大42mmまで拡大され、より多様な路面に対応可能となりました。
このようにシナプスは、エンデュランスロードというカテゴリーを牽引し、時代ごとのニーズや技術の進化を取り入れながら、常にライダーの快適性と走行性能のバランスを追求し続けてきた歴史を持つモデルなのです。
シナプスの設計思想と特徴

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キャノンデール シナプスの設計思想の核となるのは、長距離を快適に、かつ効率的に走行するための「エンデュランス性能」の追求です。
これは、単に乗り心地が柔らかいというだけでなく、ライダーの疲労を軽減し、さまざまな路面状況に対応できる安定性と操作性を備えることを意味します。
その主な特徴として、以下の点が挙げられます。
SAVEマイクロサスペンション技術
シナプスの快適性を支える重要な技術が「SAVE (Synapse Active Vibration Elimination) マイクロサスペンション」です。
これは、フレームの特定の部分(シートステー、チェーンステー、フォーク、シートポストなど)を意図的にしならせることで、路面からの微振動や衝撃を効果的に吸収するシステムです。
これにより、ライダーへの突き上げが軽減され、長時間のライディングでも体力を温存しやすくなります。
金属やカーボンといった素材の特性を活かし、複雑な機構なしに快適性を高めている点が特徴です。
エンデュランスジオメトリー
シナプスは、レースモデルと比較してややアップライトなライディングポジションが取れるように設計された「エンデュランスジオメトリー」を採用しています。
ヘッドチューブが長めに、トップチューブが短めに設定されることが多く、これにより前傾姿勢が緩やかになり、首や肩、腰への負担が軽減されます。
このリラックスした姿勢は、特に長距離ライドや初心者ライダーにとって大きなメリットとなります。
タイヤクリアランスの広さ
近年のモデルでは、より太いタイヤを装着できる広いタイヤクリアランスが確保されているのも特徴です。
例えば2022年モデル以降では35mm、最新の第6世代では最大42mm幅のタイヤに対応しています。
太いタイヤはエアボリュームが増すため、乗り心地の向上や悪路走破性の向上に貢献します。
これにより、舗装路だけでなく、多少荒れた路面やグラベルロードにも対応できる汎用性が高まっています。
安定性と操作性のバランス
ホイールベースがやや長めに設計されるなど、直進安定性を重視した設計がなされています。
しかし、単に安定しているだけでなく、コーナリング時の操作性も考慮されており、ライダーが安心してバイクをコントロールできるバランスの良さもシナプスの特徴です。
SmartSenseシステム(搭載モデル)
2022年モデル以降の一部カーボンモデルには「SmartSense」が搭載されています。
これは、前後ライト、リアビューレーダー、そしてそれらを駆動する共通バッテリーをフレームに統合したシステムです。
ホイールを回すだけでライトが自動点灯したり、後方からの車両接近を知らせてくれたりするなど、安全性と利便性を大幅に向上させる革新的な機能です。
これらの特徴により、シナプスはロングライド、ブルベ、通勤・通学、あるいは週末のサイクリングなど、幅広い用途で快適かつ安全に楽しむことができるロードバイクとして設計されています。
速さだけを追求するのではなく、いかに長く、いかに快適に走り続けられるかという点に重きを置いているのが、シナプスの基本的な設計思想と言えるでしょう。
実際の評価と評判をチェック

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キャノンデール シナプスに関する実際の評価や評判は、その快適性と安定性に対して高い支持が集まっている一方で、速度性能に関しては様々な意見が見られます。
ポジティブな評価・評判
多くのユーザーや自転車メディアのレビューで共通して高く評価されているのは、やはりその卓越した乗り心地です。
SAVEマイクロサスペンションシステムやエンデュランスジオメトリーにより、路面からの振動が効果的に吸収され、長距離を走っても疲れにくいという声が多数聞かれます。
特に、荒れた路面や多少の段差でも安定して走行できるため、日本の道路事情にもマッチしていると感じるユーザーが多いようです。
また、直進安定性が高く、ハンドリングも素直であるため、ロードバイク初心者でも安心して乗れるという評価も一般的です。
SmartSense搭載モデルについては、安全性と利便性が向上した点を評価する声があり、特にリアビューレーダーは後方確認のストレスを軽減してくれると好評です。
「乗っていて楽しいバイク」「どこまでも走り続けたくなる」といった感想も散見され、サイクリングの楽しさを再発見させてくれるモデルとして愛用されている様子がうかがえます。
ネガティブな評価・評判(あるいは誤解)
一方で、「シナプスは遅いのではないか」という声も一部で見受けられます。
これは、シナプスが快適性を重視したエンデュランスロードであるため、純粋なレースバイクのような鋭い加速感やトップスピードの伸びを期待すると、物足りなさを感じる場合があることに起因すると考えられます。
フレームの剛性も、パワーをダイレクトに推進力に変えるというよりは、ある程度のしなりを持たせて快適性を高める方向に振られているため、踏み込んだ際の反応がレースモデルとは異なる可能性があります。
しかし、これはシナプスの設計目的を理解すれば、必ずしもネガティブな要素とは言えません。
そもそもスピード競技で勝つことを最優先に設計されたバイクではなく、いかに長く快適に走り続けるかを重視したモデルです。
そのため、ロードバイク歴が長く、レース志向の強いライダーからは「少しもっさりしている」と感じられることがあるかもしれません。
また、完成車にアッセンブルされるホイールやタイヤのグレードによっては、フレーム本来の性能が十分に発揮されていない可能性も指摘されています。
エントリーグレードのホイールは重量があるため、漕ぎ出しの重さや登坂時の軽快感に影響を与えることがあります。
総括的な評判
総じて、キャノンデール シナプスは「長距離を快適に走るための優れたパートナー」として、多くのサイクリストに支持されているモデルです。
一部で聞かれる「遅い」という評価は、主にそのバイクのカテゴリーや特性、個人のライディングスタイルや期待値とのミスマッチから生じている場合が多いと考えられます。
目的を理解して選べば、非常に満足度の高い一台となるでしょう。
ダサい?シナプスはダサくなったか検証

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キャノンデール シナプスのデザインに関して「ダサい」あるいは「ダサくなった」という意見が一部で見られることがあります。
デザインの好みは主観的な要素が大きいため、一概に断定することは難しいですが、いくつかの側面から考察してみましょう。
デザインの変遷とトレンド
シナプスは長い歴史を持つモデルであり、そのデザインも時代とともに変化してきました。
初期のモデルは比較的オーソドックスなロードバイクのフォルムでしたが、モデルチェンジを重ねるにつれて、エンデュランスロードとしての特徴的な機能性を反映したデザインへと進化しています。
例えば、SAVEマイクロサスペンションを実現するための複雑なチューブ形状や、SmartSenseシステムを搭載するためのダウンチューブの造形などは、純粋なエアロロードや軽量レースバイクとは異なる独特のシルエットを生み出しています。
近年のロードバイクデザインのトレンドとして、エアロダイナミクスを重視した流線型のフォルムや、ケーブル類を完全に内装したスッキリとした外観が好まれる傾向があります。
シナプスもそうしたトレンドを取り入れつつありますが、快適性や実用性を追求した結果、一部のユーザーからは「野暮ったい」「洗練されていない」と感じられる部分があるのかもしれません。
機能美と見た目のバランス
特にSmartSense搭載モデルでは、ダウンチューブにバッテリーが装着されたり、専用のライトやレーダーが取り付けられたりするため、従来のロードバイクのシンプルな美しさとは異なる印象を与えます。
これらの装備は安全性や利便性を高めるための機能的なものですが、見た目のスマートさを損ねると感じる人もいるでしょう。
自転車のデザインにおいて、機能性と審美性のバランスをどう取るかは常に議論の的となります。
ブランドイメージとの比較
キャノンデールには、SUPERSIX EVOのようなレーシーでスタイリッシュなイメージのモデルも存在します。
そうしたモデルと比較すると、エンデュランスカテゴリーに属するシナプスは、実用性や快適性を重視した結果として、やや落ち着いた、あるいは少し地味な印象を受けることがあるかもしれません。
個人の好みと用途
結局のところ、デザインが「ダサい」と感じるかどうかは個人の美的感覚に大きく左右されます。
また、ロードバイクに何を求めるかによっても評価は変わってくるでしょう。
レースでの勝利やスピード感を追求する人にとっては、シナプスのデザインは魅力的に映らないかもしれません。
しかし、ロングライドでの快適性や安全性を重視する人にとっては、その機能的なデザインこそが合理的で好ましいと映る可能性もあります。
過去のモデルと比較して「ダサくなった」と感じる場合は、特定のモデルチェンジのデザインが好みに合わなかった、あるいは新しい技術の導入による外観の変化に馴染めない、といった理由が考えられます。
重要なのは、他人の評価に流されず、自分がそのデザインを気に入るかどうか、そして自分の使用目的に合った機能性を備えているかどうかで判断することです。
実際に試乗したり、実車を見たりすることで、印象が変わることもあります。
エンデュランスロードとしての位置づけ

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キャノンデール シナプスは、ロードバイクのカテゴリーの中で「エンデュランスロード」として明確に位置づけられています。
このエンデュランスロードというカテゴリーがどのような特徴を持ち、シナプスがその中でどのような役割を担っているのかを理解することは、「遅い」という評価を考える上で非常に参考になります。
エンデュランスロードとは
エンデュランスロードバイクは、その名の通り「耐久性」や「持続性」を重視して設計されたロードバイクです。
主な目的は、長距離のサイクリング(ロングライド、ブルベ、グランフォンドなど)を快適に走りきること、そして様々な路面状況に対応できる安定性を提供することにあります。
一般的なレースバイクと比較すると、以下のような特徴があります。
- 快適性の重視: 振動吸収性を高めるフレーム設計(シナプスの場合はSAVEマイクロサスペンションなど)や、ややアップライトなライディングポジションを採用し、ライダーの疲労を軽減します。
- 安定性の高さ: ホイールベースを長めにしたり、ヘッドアングルを寝かせ気味にしたりすることで、直進安定性を高め、荒れた路面でもコントロールしやすくしています。
- 汎用性: 幅広のタイヤクリアランスを確保し、より太いタイヤを装着可能にすることで、舗装路だけでなく未舗装路にもある程度対応できるモデルも増えています。ディスクブレーキの採用も一般的です。
- スピード性能とのバランス: 純粋なスピードやエアロ性能を最優先するレースバイクとは異なり、快適性や安定性とのバランスを考慮した設計となっています。そのため、瞬間的な加速力や最高速ではレースバイクに譲る場合がありますが、長距離を一定のペースで走り続ける能力に長けています。
シナプスの位置づけ
キャノンデール シナプスは、まさにこのエンデュランスロードの思想を体現したモデルです。
歴代モデルを通して、ライダーがより長く、より快適にサイクリングを楽しめるように進化を続けてきました。
特にSAVEマイクロサスペンションシステムは、シナプスの快適性を象徴する技術として長年培われてきました。
「遅い」という印象を持たれがちなのは、このエンデュランスロードというカテゴリーの特性上、スピード性能が他の要素(快適性、安定性)よりも優先順位が低い場合があるためです。
しかし、これは「絶対的に遅い」という意味ではなく、「レースバイクと比較した場合、設計思想が異なる」と理解するべきでしょう。
実際、プロのクラシックレースでも使用されるなど、高い走行性能も有しています。
近年では、エンデュランスロードもエアロダイナミクスを取り入れたり、フレーム剛性を高めたりするなど、走行性能の向上が図られています。
新型シナプスも快適性を向上させつつ、フレーム剛性やエアロ性能を高めたとされており、エンデュランスロードの枠を超えたオールラウンドな性能を目指していると言えるかもしれません。
したがって、シナプスを評価する際は、それがエンデュランスロードという特定の目的のために設計されたバイクであることを念頭に置くことが大切です。
自分のライディングスタイルや目的に合致すれば、これほど頼りになるパートナーはいないでしょう。
実は快適重視?「キャノンデール シナプス 遅い」を乗り心地から検証
- シナプス アルミモデルのインプレと評価
- シナプス カーボンモデルのインプレと評価
- 最新技術SmartSenseと走行性
- ワイドタイヤが乗り心地に与える影響
-
結論:キャノンデールシナプスは本当に遅いのか
シナプス アルミモデルのインプレと評価

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キャノンデール シナプスのラインナップには、カーボンフレームモデルだけでなく、アルミフレームを採用したモデルも存在します。
特にエントリーグレードとして、初めてロードバイクに触れる方や、予算を抑えつつも質の高いエンデュランスロードを求める方に選ばれることが多いです。
アルミモデルの特徴
キャノンデールは「アルミのオーソリティ」とも称されるほど、アルミフレームの製造技術に長けています。
シナプスのアルミモデルにも、その技術が活かされており、「SmartForm C2 Alloy」といった軽量かつ高剛性なアルミフレームが採用されています。
フロントフォークにはカーボン素材が使用されることが一般的で、これにより路面からの振動を効果的に吸収し、乗り心地の向上に貢献しています。
アルミフレームは、カーボンフレームと比較して一般的に価格が抑えられる一方で、しっかりとした剛性感があり、キビキビとした走行感を得やすいというメリットがあります。
また、耐久性にも優れているため、日常的な通勤・通学や、多少ラフな扱いにも比較的強いと言えるでしょう。
インプレッションの傾向
シナプスのアルミモデルに関するインプレッションでは、まずそのコストパフォーマンスの高さが評価されることが多いようです。
上位モデルの設計思想を受け継ぎつつ、手の届きやすい価格でエンデュランスロードの快適性を体験できる点が魅力とされています。
乗り心地に関しては、フルカーボンフォークの恩恵もあり、アルミフレームでありながら路面からの突き上げは比較的マイルドに抑えられているとの声が多いです。
もちろん、カーボンモデルほどの振動吸収性は期待できませんが、エンデュランスジオメトリーと合わせて、長時間のライドでも疲れにくい設計がなされています。
走行性能については、アルミフレームらしいダイレクトな反応性が感じられ、ペダリングの力がしっかりと推進力に変わる感覚があるという意見が見られます。
ただし、車体重量はカーボンモデルに比べて重くなる傾向があるため、登坂性能や鋭い加速においてはやや不利になる可能性があります。
「遅い」という評価について
アルミモデルのシナプスが「遅い」と感じられるかどうかは、やはり個人の期待値や比較対象によります。
レースでの使用を前提とした軽量なカーボンバイクと比較すれば、重量面でのハンデは否めません。
しかし、同価格帯の他のアルミロードバイクや、フィットネス目的のクロスバイクなどと比較すれば、十分な走行性能を持っていると言えるでしょう。
注意点としては、一部の旧モデルや下位グレードでは、ホイールの固定方式がクイックリリースであったり、BBの規格が古かったりする場合があり、最新のロードバイクのトレンドとは異なる部分が見られることもあります。
これらの点は、将来的なアップグレードの幅や走行性能に影響を与える可能性があるため、購入時には年式やスペックをよく確認することが推奨されます。
例えば、Synapse 2(旧モデル)とSynapse 3(旧モデル)では、リアエンド幅やBB規格、シートポスト径などに違いがあり、Synapse 3の方がより現代的な規格を採用しているという情報もあります。
結論として、シナプスのアルミモデルは、エンデュランスロードの入門機として、あるいは堅実な普段使いのパートナーとして、優れた選択肢の一つです。
絶対的な速さを求めるバイクではありませんが、快適性と実用性、そしてキャノンデールならではのアルミ技術を体感できるモデルと言えるでしょう。
シナプス アルミモデルの価格帯
シナプスのアルミモデルは、カーボンモデルに比べて手頃な価格設定が魅力です。
例えば、データベース内の情報によると、過去のモデルでは「Synapse 2」が約154,000円、「Synapse 3」が約160,000円といった価格帯でした。
現行モデルや販売時期によって価格は変動しますが、一般的に10万円台後半から20万円台前半が中心となることが多いようです。
この価格帯で、キャノンデールの技術が詰まったエンデュランスロードを手に入れられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
※上記はあくまで目安であり、年式、コンポーネントのグレード、販売店によって実際の価格は異なります。
シナプス カーボンモデルのインプレと評価

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キャノンデール シナプスのカーボンモデルは、ブランドが誇るカーボン成型技術とエンデュランスロードとしての設計思想が高次元で融合した、ラインナップの中核を成す存在です。
アルミモデルと比較して、さらなる軽量化と振動吸収性の向上が期待できます。
カーボンモデルの特徴
シナプスのカーボンフレームは、長年の研究開発によって培われたキャノンデールのカーボン技術が投入されています。
モデルのグレードによって使用されるカーボンの種類や積層方法が異なり、上位モデルになるほど軽量かつ高剛性な特性を持ちます。
最大の特徴であるSAVEマイクロサスペンションシステムは、カーボン素材の特性を最大限に活かすことで、より効果的に路面からの振動を減衰させます。
これにより、アルミモデル以上に滑らかで快適な乗り心地を実現し、長距離ライドにおけるライダーの疲労を大幅に軽減します。
また、カーボンフレームは設計の自由度が高いため、エアロダイナミクスを考慮したチューブ形状や、剛性バランスを最適化するための複雑な造形が可能になります。
近年のシナプスカーボンモデルでは、快適性だけでなく、走行性能の向上も追求されており、登坂性能や巡航性能にも優れています。
SmartSenseシステムを搭載したモデルは、カーボンフレームのダウンチューブにバッテリーが内蔵されるなど、システム統合を前提とした設計がなされている点も特徴的です。
インプレッションの傾向
シナプスのカーボンモデルに関するインプレッションでは、その卓越した快適性と安定した走行性能が高く評価されています。
多くのユーザーが「シルキーな乗り心地」「路面に吸い付くような安定感」といった表現を用いており、特に荒れた路面での振動吸収能力には目を見張るものがあるとされています。
長距離を走っても疲れにくいため、ブルベやグランフォンドといったイベントに参加するライダーからの支持も厚いです。
また、エンデュランスジオメトリーによるリラックスしたポジションと相まって、景色を楽しみながらマイペースで走りたいサイクリストにも適しています。
走行性能については、単に快適なだけでなく、ペダリングに対する反応も良く、スピードに乗ってしまえば巡航も楽であるという意見が多いです。
急加速やスプリントのような場面ではレースバイクに一歩譲るものの、ヒルクライムでも過度な重さを感じさせず、安定して登れると評価されています。
「遅い」という評価について
カーボンモデルのシナプスが「遅い」と感じるかどうかは、アルミモデル以上にライダーの経験や期待値、そして比較対象に左右されます。
もし、剛性感の塊のようなエアロロードや超軽量ヒルクライムバイクの鋭い加速感を期待しているのであれば、シナプスの乗り味はマイルドで、やや物足りなく感じるかもしれません。
しかし、これは設計思想の違いであり、欠点ではありません。
シナプスは、ライダーのパワーを瞬間的に爆発させることよりも、長時間持続的に発揮し、それを効率よく推進力に変えることを得意としています。
そのため、プロレベルのライダーが石畳のクラシックレースで選ぶように、過酷な状況下でも安定して高いパフォーマンスを維持できる潜在能力を持っています。
また、完成車に付属するホイールのグレードによっては、フレームのポテンシャルを最大限に引き出せていない場合もあります。
より軽量で高剛性なホイールに交換することで、走行性能が劇的に向上することも少なくありません。
シナプス カーボンモデルの価格帯
シナプスのカーボンモデルは、使用されるカーボンのグレードやコンポーネントによって価格帯が大きく異なります。
エントリーグレードのカーボンモデルは30万円前後から、上位のHi-MODカーボンや電動コンポーネントを搭載したモデルになると50万円を超えるもの、そしてフラッグシップモデルであるLAB71シリーズでは100万円を大きく超える価格設定となっています。
※上記はデータベース内の情報や一般的な傾向に基づくもので、実際のラインナップや価格は時期によって変動します。
結論として、シナプスのカーボンモデルは、快適性、安定性、そして十分な走行性能を高次元でバランスさせたエンデュランスロードの代表格です。
予算や求めるスペックに応じて幅広い選択肢があり、自分のライディングスタイルに合った一台を見つけることができれば、サイクリングの可能性を大きく広げてくれるでしょう。
最新技術SmartSenseと走行性

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2022年モデルのキャノンデール シナプス カーボンから導入された「SmartSense(スマートセンス)」システムは、ロードバイクの安全性と利便性を新たな次元へと引き上げる画期的な技術として注目されています。
このシステムがシナプスの走行性にどのような影響を与えるのか、考察してみましょう。
SmartSenseシステムの概要
SmartSenseは、以下の主要なコンポーネントを統合的に制御するシステムです。
- 共通バッテリー: ダウンチューブに内蔵または装着され、システム全体の電源を供給します。モバイルバッテリーとしても機能するモデルもあります。
- フロントライト: Lezyne社と共同開発された高性能LEDライトで、周囲の明るさに応じて自動点灯・調光する機能を持つものもあります。
- リアライト(レーダー一体型): Garmin社と共同開発されたVariaレーダーと一体化したテールライトです。後方からの車両接近を検知し、対応するサイクルコンピューターや専用ディスプレイに警告を表示するとともに、ライトの点灯パターンを変化させてドライバーに注意を促します。
- ホイールセンサー: ホイールの回転を検知し、システムの起動トリガーとなります。
これらのコンポーネントが連携することで、ライダーはライトのオンオフや充電の手間から解放され、より安全に走行に集中できるようになります。
SmartSenseが走行性へ与える影響(メリット)
- 安全性の向上による精神的余裕: リアビューレーダーは、後方から接近する車両を事前に察知できるため、車線変更時や路肩走行時の安全確認の負担を大幅に軽減します。これにより、ライダーは常に後方を気にしながら走るストレスから解放され、精神的な余裕を持ってペダリングに集中できます。結果として、よりリラックスした状態で効率的な走行が可能になると考えられます。
- 視認性向上による安心感: 自動点灯する前後ライトは、日中の被視認性を高め、トンネルや薄暗い場所でも安全を確保します。夜間走行においては、十分な光量を持つフロントライトが路面状況を確実に照らし、安心して走行できます。
- 利便性向上による集中力の維持: ライトのスイッチ操作や個別のバッテリー管理が不要になるため、走行中の余計な手間が減ります。これにより、ライドそのものへの集中力を高く保つことができます。
SmartSenseが走行性へ与える影響(潜在的なデメリットや注意点)
- 重量増: バッテリーやライト、レーダーといったコンポーネントを追加で搭載するため、システム非搭載モデルと比較して若干の重量増は避けられません。この重量増が、特にヒルクライムや鋭い加速を求める場面で、走行フィールに影響を与える可能性は否定できません。ただし、エンデュランスロードというシナプスの性格を考慮すれば、その重量増は安全性と利便性とのトレードオフとして許容できる範囲と考えるユーザーも多いでしょう。
- 空気抵抗の増加: 専用のライトやバッテリーユニットの形状によっては、わずかながら空気抵抗が増加する可能性も考えられます。しかし、これもエンデュランスライドにおける影響は限定的かもしれません。
- バッテリー依存: システム全体の動力源が共通バッテリーに依存するため、バッテリー切れはライトやレーダーの機能停止を意味します。長時間のライドでは、バッテリーの持続時間や充電方法を事前に確認しておく必要があります。最新の第6世代Synapseではバッテリー容量が大幅に増強されているとの情報もあります。
- コスト: SmartSense搭載モデルは、非搭載モデルと比較して価格が高くなる傾向があります。
走行性への総合的な考察
SmartSenseシステムは、直接的にバイクの推進性能を高めるものではありません。
むしろ、重量増という点ではマイナスに作用する可能性もあります。しかし、「安全かつ快適に長距離を走る」というエンデュランスロードの目的を達成する上で、間接的に走行の質を高める重要な要素と言えます。
精神的な余裕が生まれ、疲労が軽減されれば、結果としてより長く、より安定したペースで走り続けることが可能になります。
これが、SmartSenseがシナプスのエンデュランス性能をさらに引き上げる要因となるでしょう。
「遅い」かどうかという議論においては、この安全マージンの向上が、結果的にライダーのパフォーマンス維持に繋がり、トータルでの「速さ」や「効率」に貢献するとも考えられます。
ワイドタイヤが乗り心地に与える影響

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近年のロードバイクのトレンドの一つとして、タイヤのワイド化が進んでいます。
キャノンデール シナプスもこの流れを汲み、モデルチェンジごとに対応するタイヤクリアランスを拡大してきました。
例えば、2022年モデルでは最大35mm、そして2025年発表の第6世代では最大42mmという、エンデュランスロードの中でもトップクラスのタイヤクリアランスを備えています。
このワイドタイヤがシナプスの乗り心地や走行性能にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。
ワイドタイヤのメリット
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乗り心地の向上(振動吸収性): タイヤが太くなると、同じ空気圧でもタイヤ内部のエアボリュームが増加します。これにより、タイヤ自体がクッションのように機能し、路面からの細かな振動や衝撃をより効果的に吸収してくれます。結果として、乗り心地が格段にマイルドになり、特に荒れた舗装路や石畳、未舗装路などではその効果を大きく体感できます。シナプスのSAVEマイクロサスペンションシステムと組み合わせることで、シルクのような滑らかな走行感を実現しやすくなります。
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安定性の向上: 接地面積が広がることで、バイクの安定性が増します。特にコーナリング時や濡れた路面など、グリップ力が求められる状況で安心感が高まります。また、直進時もふらつきにくくなり、長距離ライドでの疲労軽減にも繋がります。
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転がり抵抗の低減(条件による): かつては細いタイヤの方が転がり抵抗が低いとされていましたが、近年の研究では、適切な空気圧で使用した場合、ある程度太いタイヤの方が路面の微細な凹凸をいなしやすく、結果として転がり抵抗が低減される場合があることがわかってきました。特に実走環境においては、常にスムーズな路面とは限らないため、ワイドタイヤのメリットが活きてきます。
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走破性の向上: タイヤが太いほど、砂利道や多少のダートといった未舗装路への対応力が高まります。シナプスが持つ広いタイヤクリアランスは、グラベルライド的な要素も楽しむことができる汎用性をもたらします。
ワイドタイヤのデメリットや注意点
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重量の増加: 一般的に、タイヤが太くなると使用するゴムの量が増えるため、タイヤ自体の重量が増加する傾向があります。ホイールも対応するリム幅が広いものが必要になる場合があり、システム全体として重量増に繋がることがあります。これは、漕ぎ出しの軽さや登坂性能に影響を与える可能性があります。
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空気抵抗の増加: タイヤの前面投影面積が大きくなるため、空気抵抗は増加する傾向にあります。高速巡航を主目的とする場合は、この点が不利に働く可能性があります。ただし、エンデュランスロードの速度域や、ライダー自身の空気抵抗と比較すれば、その影響は限定的という見方もあります。
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適正空気圧の管理: ワイドタイヤのメリットを最大限に引き出すには、適切な空気圧管理が不可欠です。タイヤ幅や体重、路面状況に応じて最適な空気圧に調整する必要があります。従来の細いタイヤと同じ感覚で高圧にしすぎると、かえって乗り心地が悪化したり、グリップを失ったりすることがあります。
シナプスとワイドタイヤ
シナプスがワイドタイヤに対応していることは、「快適に長距離を走る」というその設計思想をさらに強化するものです。
「遅い」という印象に対しては、ワイドタイヤによる乗り心地の向上や安定性の高さが、ライダーの疲労を軽減し、結果として長時間安定したパフォーマンスを維持することに繋がり、トータルでの平均速度や完走能力を高める可能性があると言えます。
もちろん、常に最高のスピードを求めるのであれば、より細く軽量なタイヤを選択することも可能です。
シナプスの広いタイヤクリアランスは、ライダーの好みや走行シーンに合わせてタイヤ選択の幅を広げ、バイクのキャラクターをある程度変化させられるというメリットも提供しているのです。
結論:キャノンデールシナプスは本当に遅いのか

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キャノンデール シナプスが「遅い」のかどうか、ここまで様々な角度から考察してきました。
この問いに対する答えをまとめるにあたり、いくつかの重要なポイントを再確認する必要があります。
まず、シナプスは純粋なスピードやレースでの勝利を最優先に設計されたバイクではなく、「エンデュランスロード」というカテゴリーに属するモデルです。
その主な目的は、長距離をいかに快適に、そして安定して走りきれるかという点にあります。
この設計思想を理解することが、シナプスの性能を正しく評価する上での大前提となります。
快適性を追求するためのSAVEマイクロサスペンション技術やエンデュランスジオメトリー、そしてワイドタイヤへの対応といった特徴は、ライダーの疲労を軽減し、多様な路面状況への適応力を高めます。
これらは、瞬間的な速さよりも、持続的な走行性能や安定性を重視した結果です。
したがって、もし絶対的なトップスピードや鋭い加速反応を求めるのであれば、シナプスは「遅い」と感じられるかもしれません。
特に、軽量なレースバイクやエアロロードと比較した場合、その差は顕著に現れるでしょう。しかし、これはシナプスの欠点ではなく、カテゴリーの特性と設計目的の違いによるものです。
一方で、長距離を一定のペースで巡航する能力や、荒れた路面でもペースを維持できる安定性、そして何よりもライダーの体力を温存させる快適性は、結果としてトータルでの走行時間や平均速度に好影響を与える可能性があります。
「ウサギとカメ」の寓話に例えるなら、シナプスは派手なスプリント力を持つウサギではなく、着実に長距離を走りきるカメのような存在と言えるかもしれません。
SmartSenseのような安全技術の搭載は、直接的な速さには結びつかなくても、ライダーの精神的な余裕を生み出し、より安全で集中したライディングを可能にします。
これもまた、間接的にパフォーマンスの維持に貢献する要素です。
アルミモデルとカーボンモデルでは、それぞれ価格帯や乗り味に違いがありますが、共通しているのはエンデュランス性能を重視した設計であるという点です。
ホイールやタイヤの選択によっても走行感は大きく変わるため、一概に「遅い」と断じることはできません。
以上の点を踏まえると、「キャノンデール シナプスは、その設計目的とカテゴリー特性を理解すれば、決して遅いバイクではなく、むしろ長距離を賢く快適に走破するための優れた選択肢である」というのが、ここでの見解となります。
重要なのは、自分のライディングスタイルや目的に合ったバイクを選ぶことであり、シナプスはその特定のニーズに対して非常に高い満足度を提供してくれる可能性を秘めているのです。
この記事を通して、キャノンデール シナプスに関するあなたの疑問が少しでも解消され、より良いバイク選びの一助となれば幸いです。
以下に、この記事の要点をまとめます。
- キャノンデール シナプスはエンデュランスロードである
- 快適性と安定性を重視した設計が特徴
- SAVEマイクロサスペンションが乗り心地向上に貢献
- アップライトなジオメトリーで長距離も楽
- 「遅い」という評価はレースバイクとの比較から生じやすい
- 絶対的な速さより持続的な走行性能を重視
- アルミモデルはコストパフォーマンスに優れる
- カーボンモデルはより軽量で振動吸収性が高い
- SmartSense搭載モデルは安全性と利便性が向上
- ワイドタイヤへの対応で乗り心地と走破性が向上
- ホイールやタイヤの選択で走行感は変わる
- 設計目的を理解すれば遅いバイクではない
- 長距離ライドやブルベに適している
- 初心者から経験者まで幅広く対応可能
- 購入時は年式やスペックの確認が大切