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こんにちは。アーバンサイクラー、運営者の「サイクル太郎」です。
久しぶりに自転車に乗ろうとしてハンドルを握った瞬間、手が真っ黒になってしまったり、ネチャっとした不快な感触に驚いたりした経験はありませんか。
実はこれ、多くの人が直面する自転車のトラブルの一つなんです。
特に「グリップシフト(ツイストシフター)」と呼ばれる、手首を回して変速するタイプの自転車では、ゴム部分の劣化によるベタベタが発生しやすく、せっかくのサイクリング気分が台無しになってしまいますよね。
自転車のグリップシフトゴムの交換について調べている皆さんは、自分で直せるのか、それともお店に頼むべきなのか、さらには「そもそもゴムだけ替えられるのか?」という疑問で迷っているのではないでしょうか。
今回は、そんな悩みを解決するために、私の失敗談や経験も交えながら、原因から交換手順までを包括的に、そして分かりやすくお話ししていこうと思います。
この記事で分かること
目次
- ハンドルのゴムがベタベタする原因と一時的な対処法
- 交換用グリップの選び方と失敗しないサイズ確認のポイント
- 自分で交換する場合の手順とお店に依頼した時の費用相場
- グリップシフトを卒業してレバー式に変えるという選択肢
自転車のグリップシフトゴム交換の前に知るべき基礎
いきなり工具を握って作業を始める前に、まずは「敵」を知ることから始めましょう。
なぜあんなに不快なベタベタになってしまうのか、そして交換する際にはどんな部品を選べばいいのか。
ここでは、自転車のグリップシフトゴム交換を行う上で知っておきたい基礎知識について、材料の特性や構造的な観点から整理していきます。
ハンドルがベタベタする原因は加水分解

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あの嫌なベタベタ、実は汚れがついているわけではないんです。
専門的には「加水分解」と呼ばれる化学反応が原因なんですよ。
自転車のグリップやシフターカバーに使われている「熱可塑性エラストマー(TPE)」などの合成ゴム素材は、水分と反応して分解されやすい性質を持っています。日本の夏のように高温多湿な環境や、手のひらから出る汗、そして紫外線などが複合的に作用することで、ゴムの分子結合が切断され、素材自体が溶け出してきてしまうのです。
特に自転車は屋外に保管されることが多いため、避けては通れない「寿命」と言えるでしょう。
知っておきたいポイント
屋根付きの駐輪場に停めていても、空気中の湿気だけで徐々に進行します。「大切に使っていたのに…」と落ち込む必要はありません。これはタイヤが摩耗するのと同じ消耗現象なのです。
べたつきの取り方とアルコール洗浄の限界
「交換するのは面倒だし、拭けばなんとかなるのでは?」と思いますよね。私も最初はそう思って、家にある洗剤や除光液、ひどい時は消しゴムでゴシゴシ擦ってみたことがあります。
結論から言うと、無水エタノール(純度99%以上のアルコール)で拭き取れば、一時的にサラサラにはなります。
これは、加水分解によって表面に浮き出た劣化した成分をアルコールが溶かして取り除いてくれるからです。
しかし、これはあくまで応急処置に過ぎません。
ゴムそのものが内部から変質してしまっている以上、数週間〜数ヶ月もすれば、また内側からベタベタ成分が染み出してきます。
また、拭きすぎるとゴムが硬化してヒビ割れを起こし、ボロボロと崩れてくるリスクもあります。
基本的には「ベタついたら交換のサイン」と割り切り、新品にリフレッシュするのが精神衛生的にも一番の近道です。
シマノ製など交換用グリップのサイズ確認

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ここが初心者の方が最も陥りやすい落とし穴です!自転車のグリップを買う時、デザインだけを見て、なんとなく「セットで売っているやつ」をポチると失敗します。
グリップシフト搭載の自転車は、左右でグリップの長さが極端に違うことがほとんどだからです。
一般的な構成パターン
多くの一般車(ママチャリ)やクロスバイクのエントリーモデルでは、以下のような構成になっています。
購入前のチェックリスト
- 左側:変速機がないため、通常の長さ(ロンググリップ:約110mm〜120mm)
- 右側:変速機(シフター)の幅の分だけ短い(ショートグリップ:約70mm〜80mm)
シマノの「REVOSHIFT(レボシフト)」などが付いている場合、右側のグリップスペースは非常に狭くなっています。
間違って「両方ロング」のセットを買ってしまうと、取り付けるスペースがなくて途方に暮れることになります(私は一度やりました…)。
購入時は必ず「ショート&ロング」のセットか、OGKなどの「ハーフ」タイプを選びましょう。
100均でも揃う?交換に必要な道具一覧

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DIYで交換に挑戦するなら、道具の準備も大切です。特殊な自転車専用工具が必要かと思われがちですが、実は100円ショップで揃うもので代用できる場合も多いんですよ。
| 必要な道具 | 用途 | 100均での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| プラスドライバー | 変速機やレバーの固定ネジ | ◯ | サイズ(#2)が合うものを |
| カッターナイフ | 古いグリップを切断する | ◯ | 大きめの刃がおすすめ |
| 六角レンチ | シフター固定ボルトの着脱 | ◯ | 3mm, 4mm, 5mmのセット |
| パーツクリーナー | 洗浄・潤滑(装着時) | △ | ホームセンターで300円程度 |
| ワイヤーカッター | インナー/アウターケーブル切断 | × | 必須(専用品を用意) |
ここで強くお伝えしたいのは、もしシフターごと交換してワイヤーも新しくする場合、「ワイヤーカッター」だけは絶対に自転車専用のもの(2,000円程度〜)を用意してくださいということです。
ペンチやニッパーでワイヤーを切ると断面が潰れてほつれてしまい、二度とアウターケーブルに入らなくなります。
自転車店に頼む場合の交換費用と値段
「やっぱり自分でやるのは不安…」「調整に失敗して乗れなくなるのが怖い」という方は、プロにお任せするのも賢い選択です。
お店に頼んだ場合の費用の目安は以下の通りです。
| グリップ交換のみ | 工賃 500円〜1,000円 + 部品代(約1,000円) |
|---|---|
| シフターごとの交換 | 工賃 2,000円〜4,000円 + 部品代(約1,500円) |
シフターごと交換する場合は、変速調整という専門的な技術が必要になるため工賃が上がります。
しかし、変速不良によるチェーン落ちや事故のリスクを回避できる安心感を考えれば、決して高い投資ではないかなと思います。
実践!自転車のグリップシフトゴム交換と代替案
ここからは、実際に自分で交換作業を行いたいチャレンジャーなあなたに向けて、具体的な手順やコツをお伝えします。
また、単にゴムを替えるだけでなく、思い切ってシステムを変えてしまう「改造」についても触れていきますね。
古いグリップの簡単な外し方とコツ

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長年装着されていた古いグリップは、ゴムがハンドルバーに固着していて、力任せに引っ張ってもビクともしません。
一番手っ取り早くて楽なのは、「カッターで切って剥がす」方法です。
カッターを使用する手順
- グリップの端から内側に向かって、カッターで縦に一本切り込みを入れます。
- この時、下のハンドルバー(特にカーボンや薄いアルミの場合)を深く傷つけないよう、刃を入れる深さに注意してください。
- 切り込みが入れば、バナナの皮をむくようにペロッと簡単に剥がれます。
もしグリップを再利用したい場合や、どうしてもカッターを使いたくない場合は、グリップとハンドルの隙間にマイナスドライバーを差し込み、そこから「パーツクリーナー」のノズルを入れて大量に吹き込みます。
溶剤が接着剤を溶かしつつ潤滑剤になるので、ヌルっと抜けるようになりますよ。
新しいグリップの取り付け方法と手順

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新しいグリップを入れる時も、ねじ込もうとして力技を使うのは禁物です。
水や石鹸水で濡らして入れる方法も有名ですが、中が乾くまで数日間グリップが動いてしまうため、ここでも速乾性のパーツクリーナーが大活躍します。
取り付けの裏技ステップ
- 古い接着剤や汚れをきれいに拭き取ります。
- ハンドルバーと、新しいグリップの内側の「両方」にパーツクリーナーをたっぷりと吹き付けます。
- 表面が濡れている数秒間は驚くほど滑りが良くなるので、その瞬間に素早くグリップを所定の位置まで押し込みます。
- 数分でクリーナー成分が揮発し、ゴムがハンドルにピタッと吸着して動かなくなります。これで接着剤は不要です。
ゴムカバーだけでなくユニットごとの交換
ここで一つ、残念なお知らせがあるかもしれません。シマノの普及モデル(REVOSHIFTなど)を使っている場合、「変速機の回転部分のゴムカバーだけ」の交換部品は、メーカー公式にはほとんど供給されていないのです。
構造上、ゴムと内部のプラスチックパーツが一体成型されていたり、分解できないようにカシメられていたりするためです。
無理やりゴムを剥がしてテニスラケット用のグリップテープを巻いたり、熱収縮チューブを被せる裏技もありますが、操作感が悪化したりすぐにボロボロになったりします。
回転部分のゴムがベタベタしている場合は、シフターユニットごと(プラスチックの本体ごと)新品に交換するのが正解です。
Amazonなどで「SL-RS35」などの型番で検索すると、ワイヤー付きの新品が1,000円〜1,500円程度で手に入ります。
思い切って全交換した方が、新品同様のカチッとした操作感が戻ってきますよ。
(出典:シマノ『シフトレバー(レボシフト)ユーザーマニュアル』)
交換後の変速調整とワイヤーの張り方
ユニットごと交換した場合の最大の難関が「変速調整(インデックス調整)」です。
ここがうまくいかないと、ペダルを回すたびにガチャガチャと異音がしたり、ギアが変わらなかったりします。
基本的な調整フロー
- 初期位置の設定:シフターを一番数字の大きい段(トップギア・一番重いギア)に合わせます。
- ワイヤーの固定:後ろの変速機(リアディレイラー)側で、ワイヤーを手で引っ張ってピンと張った状態で固定ボルトを締めます。
- 動作確認:ペダルを回しながら一段ずつ変速してみます。
- 微調整:
- ギアが軽い方へ上がらない(チェーンが登らない)場合:ワイヤーが緩んでいます。シフターの根元やディレイラーにある「アジャストボルト」を反時計回りに回してワイヤーを張ります。
- ギアが上がりすぎる、あるいは重い方へ落ちない場合:ワイヤーが張りすぎています。アジャストボルトを時計回りに回してワイヤーを緩めます。
これは感覚を掴むのに慣れが必要な作業です。
もし「どうしても決まらない!」となったら、無理に走り出さず、近くの自転車屋さんに持ち込んで調整だけ(1,000円〜2,000円程度)お願いしましょう。
ママチャリをレバー式に変える改造案

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「もうゴムのベタベタには二度と悩みたくない!」という方には、グリップシフトをやめて、マウンテンバイクやクロスバイクで一般的な「トリガーシフト(レバー式)」に交換するという手があります。
カチカチと親指と人差し指でレバーを弾いて変速するタイプですね。
これなら操作部分がプラスチックや金属レバーなので、加水分解とは無縁です。
しかも、グリップは左右とも好きなデザインのロンググリップが使えるようになるため、手の負担を軽減するエルゴグリップへの交換など、カスタムの幅が一気に広がります。
注意点とデメリット
トリガーシフトはハンドルの下側にレバー配置されるため、ブレーキレバーとの位置関係や干渉に注意が必要です。また、見た目が少しスポーティーになるので、ママチャリのデザインによっては好みが分かれるかもしれません。右側のグリップもロングタイプに買い換える必要があるのを忘れないでくださいね。
自転車のグリップシフトゴム交換で快適に
自転車のグリップシフトゴム交換は、一見難しそうに見えますが、正しい知識と「ショートグリップ」を選ぶ注意深さ、そして少しの道具があれば自分でも十分にチャレンジできるメンテナンスです。
何より、いつも触れる部分が新品になってサラサラになると、自転車に乗るのが本当に楽しくなります。
「固定グリップだけの交換」なら難易度は低いですし、「シフターごとの交換」なら新車のような操作感が戻ってきます。
ご自身の自転車の状態と、どこまでDIYできるかを天秤にかけて、最適な方法を選んでみてくださいね。
無理そうだなと思ったらプロに頼るのも立派な戦略です。安全第一で、快適な自転車ライフを取り戻しましょう!